各部所の説明

色鮮やかな装束を身に纏い、鈴の音を響かせ行進するチャグチャグ馬コ。鈴の数は1頭あたり700個と言われています。江戸中期、お詣りが盛んになるなか で愛馬を着飾る文化が流行しました。装束の作り方は家々で異なり、代々受け継がれたものです。現在は、作り方の講習会を農作業の落ち着く冬場に行っ ています。
チャグチャグ馬コの装束は良質の麻を使った手編みで、製作工程の全てが手作りで行われます。染料は紫紺染めや草木染め。 麻は光沢があり、まとわりつかない特徴があり、丈夫で長持ちすることから、代々受け継がれて来ました。 装束の配色はそれぞれの家で趣向が凝らされ、昔ながらに一つ一つ長い月日をかけて丹精込めて作られます。 チャグチャグ馬コは手作りの祭りでもあるのです。

  

みみぶくろ

虫が入らないように。また、馬は音に敏感なため、大きな音で馬が驚かないよ うにする耳栓の役割もあります。

ここに色々な装束がくくりつけられます。 位置が決まったら腹帯でしっかり固定

尾挟み

下り坂で鞍が前にずれ込まないようにするため

ゆいあげ

腹に巻いて、背中の上で結ぶ。
虫除けの役割をする。

飾り帯

鞍の前後に付け、彩りを加えます。
鞍につけられる「へこ帯」は、子どもが乗ったときにあぶみの代わりにし、布団を固定するために付けられます。

くさずり

鞍の下、左右に着ける。
馬に乗るときに足を乗せる鐙(あぶみ)の代わりと考えられています。

むながい

上り坂で鞍が後ろにずれ込まないようにするため

しりがい

一番下の段は、「3つより」という編み方で編みます。
麻を3本使い、2本を順番にくぐらせる編み方です。

まんじゅう

菊の形をしている。
弓矢から身を守るためのものと言われており、チャグチャグ馬コの装束そのものが防具とされている由縁です。

くびよろい

馬コの首を守る防具です。

なりわ

首の下に吊します。
獣よけとされています。
「チャグチャグ」は、大きな鳴り輪と装束に付けられた鈴が奏でる協和音を表しています。

はなかくし

馬の顔を守るための防具とされています。
屋号などが記載されています。

たづな

引き手用の手綱を、左右に一本ずつ着けます。
手綱を使い、引き手が馬コを誘導します。
また、飾りとして乗り手用の手綱も装着します。